見てからずっとエントリーしないでいた映画。7月頃だったか新聞の映画評で沢木耕太郎氏が推奨していた
『美しい人』 結局見れたのは9月に入ってからだった。
『彼女を見ればわかること』のロドリゴ・ガルシア監督。
原題“9lives”その名の通り9人の女性のそれぞれの生き様を描いたショートストーリーのオムニバス。
どのストーリーもワンシーン・ワンカットで、物語の背景や訴えたいことを考えているうちにエンディングとなってしまう。それでも「う〜ん」と何気に感じ入ってしまったりする。
第1話:娘に愛を注ぐ人(サンドラ)
刑務所に服役中の女性サンドラ。面会に来る娘との会話だけが生きがい。模範囚かと思いきや・・・・。
第2話:いま手にしている愛を見出す人(ダイアナ)
妊娠中に夜のスパーマーケットで昔の恋人に遭遇してしまう。お互い他愛のない大人の会話をしていたが、「君をいまでも一番愛してる」とささやかれ心揺れる人妻。
第3話:愛をぶつける人(ホリー)
父親とのトラウマから激しく嫌悪し、家でしていたが突然帰って来て妹を困らせる姉。
それでもきっと何か父親を頼りたい思いがあったのだろう・・・。
第4話:お互いの弱さを知る人(ソニア)
友人夫婦の家に招かれた夫と妻、その席である秘密をバラされ一瞬にして壊れる信頼関係、そして気まず過ぎるムード。その後は・・・・?
第5話:かけがいのない人(サマンサ)
車椅子の父、介護の疲れた、お互い直に会話をしないふたりの伝言役を務める美しい娘。家庭内別居のような両親の間でそれでも気丈に自分の立場を認識しているが・・・。
第6話:愛を求められる(ローナ)
妻に自殺された元夫のために葬儀に参列したにも拘わらず、自殺の原因は自分にあると責めるれ、それでも愛を囁かれ抗うことが出来ない女の欲望、そして罪悪感・・・?
第7話:家族があることの歓びを知る人(ルース)
5話に登場した母親、夫の介護に疲れに娘の先生と不倫に走る。ところが・・・。
第8話:夫の愛の深さを知る人(カミール)
女性の美の象徴である乳房を失う事でナーバスになり、激情し夫をなじる妻。
でも手術室に向かう彼女は・・・。
第9話:神の祝福を受ける人(マギー)
新緑の季節墓参りにやってきた母と娘。一年に一度訪れる美しい場所、緑の木陰でたたずむ母娘。直後カメラは一瞬の時間の経過を表現し・・・。
見終わって正直「俺に何をどう感じろって言うんだ?」って想いだった。
完全に女性向けの作品だと思います。男はいずれでも主役にはなりえてません。
9人の女性のさまざまな事情を抱えながらの日常を切り取り、それを淡々と表現している。それでも結果的には女性はもろもろ問題を抱えながらも強く、たくましく、凛々しく生きていくんだ、みたいのことを表現したかったのかと思う。
そしてやっぱり男はロマンチストで優しくて、でもどうにも女々しくて・・・、って感じで描かれていたような気がする(笑)
そういう意味では男が見るにはチョット辛いかも知れない。
とはいえ、DVDになったらもう一度レンタルで観てみようと思ってる。