金曜日の夜 あるところから声をかけていただき
「映画専門大学院大学」というところのセミナーに参加させてもらった。
こういう時に直ぐ行動できる今の環境(仕事に余裕がある)は嬉しい。
あとで聞いて解ったのだが、このセミナーは毎週金曜日の夜に開催されているらしく、毎回映画製作に携わった方々にその体験談や、考え方などを語っていただき、映画のプロデューサーという仕事に興味を持ってもらおうということらしい。
最初会場に着いたときにはあまりに場違いな感じがし、ついつい「私なんかでもいいんですか?」なんて性に合わないことを言ってしまったくらい、若い学生さんが中心のセミナーでした。
とはいうもののセミナーの中身は自分の仕事の上でも大いに役立つ内容で、
今後も是非参加させてもらおうと思ってしまった。
でもって、今回の講師は“映画「博士の愛した数式」はこうして生まれた”の第3夜ということで、『
雨あがる』『
阿弥陀堂だより』などのプロデュースをされた「荒木美代子」さん。
素敵な方でした。この世界の方にしては異質と言っていいくらいのプロフィールをお持ちの方で、商社に入社し政府開発援助に携わり、そこを退社しNYで学んだ後アトランタ・長野両オリンピックでの国際テロリスト対策などの要職を担当し、映画製作・配給会社の「アスミック・エース・エンターテイメントに入社したという。
お話の中身は当然映画製作の魅力についてが中心なのだが、やはりそこはプロデューサー。多分語りきれないくらいの苦労もあったのだろうが、その素振りなど全く見せず、楽しくて楽しくてしょうがなかった的なお話だった。そこで感じたのは「ホントこの人映画が好きなんだなあ」「黒子が好きなんだなあ」って印象かな・・。
僕なんかの商売も同じなんだけど、黒子になって仕事を動かす魅力を一度味わってしまうと麻薬になるんだよな。
その中で特に印象に残ったのは、原作が出て約一週間後に出版社に映画化権のオファーをしたというところ。これは当然プロデューサーとしての一流の“勘”なんだろうが、興味があって「決め手はなんだったんですか?」と質問をしてみた。
答えは
・タイトルの得も言われぬ魅力。
・「80分しか・・」という設定にその先に拡がる不思議な世界を感じた。
・日本語の持つ独特の言葉で綴られた文章に惹かれた。
そして最後に、
・思わず背筋が伸びてしまうような“凛”とした作品で、日本人ならではの 情感に訴える魅力があった。 ・・・・と。
それを語る口調、表情がこれまたとても魅力的でした。
次の作品に期待すると同時に、こういう方々と仕事がしたいものだと羨望を抱いてしまった有意義な時間だった。