先週の木曜日24日、友人に誘われていた朗読劇に行き、この上なく心地よい時空をまた再び味わうことが出来た。
友人は「劇団 昴」の関係でこの舞台を知り、「朗読劇」への関心から反応してのお誘いだった。ただ、いつも通りいい加減この上ないオヤジはこの時点で約束の日時だけをインプットし、作品については完全に失念していた。
前日に確認の連絡をいただき、そこで改めて作品名を聞かされ途端に記憶が蘇ってくる。そしてその期待感もまた急激に高まって来ていた。
演劇企画JOKO公演 朗読劇『あの夏、少年はいた』
2008年4月23日〜25日
豊島区立南大塚ホール
原作・原案:川口汐子/岩佐寿弥
構成・演出:中西由美
以前NHKのドキュメンタリードラマでこの作品を知り、あつい感動を覚えこの
日記にもその時の思いを綴っていた。
とはいえ、映画やテレビドラマなどの場合、原作を読んで感動した後にそれを鑑賞し「裏切られた!」「原作の良さを壊している!」なんて経験も時としてあるので、あまり入れ込まずに会場に向かった。
そんな心配はまったく杞憂でした。 素晴らしかったです。
「朗読劇」という設定と必要以上の演出を施さなかったのが結果として良かったんでしょうし、それにキャスティングも・・・・満足でした。
公演終了後その感想を友人と語っていたのだが、いま以前の日記を読み返してみたらその時とまったく同じ感想を書き連ねていました。
そう、まず第一にこの時代の方々の日本語ってどうしてこんなに綺麗なんだろう。そして永生きすることってこんなに素敵なことなんだ、人の出会いってなんて素晴らしいことなんだろう・・・等々。
この日はもうひとつなんとも素晴らしいサプライズが用意されていた。原作となったこの往復書簡の主役のお二人がボクらの前の席にいらっしゃったのだ。
すっかりファンになっていたボクは入場時からそのお姿を発見しており、友人に自慢げに話していたのだが、公演のエンディングでは劇中の主役からこのお二人を紹介して下さるシーンも有り、会場中から割れんばかりの拍手が贈られていた。そう文字通りのスタンディングオベーションで・・・。
でもって終演後ロビーに居られたお二人にボクは、図々しくも写真のようなサインを頂戴してきました。90歳過ぎの元教生先生は車椅子で耳も遠くなられているご様子で、サインのお願いも少しばかり躊躇させられたが、暖かな笑顔と共に快く受けてくださり、ボクの名前を確認した後ボクが差し出した安万年筆で一瞬の躊躇いも無く、もう何十年もの間そうされて来たように滑らかに筆を走らせて下さった。
なぜだか、この主人公のお二人が手元に残してきた数々の記念の品のように、ボクもこの貴重なサインを頂戴した本を大事にしてみたくなった。