ちょっとばかり古くなってしまったニュースだが、先週末もアマチュアスポーツの醍醐味を堪能させてもらっていた。
10日(日)のラグビー大学選手権の「帝京大学vs東海大学」戦、そして翌11日(祝)の高校サッカー選手権の「山梨学院vs青森山田」戦は何れ劣らぬ素晴らしいゲームを展開してくれていた。どちらも接戦で、息つく間もなく見入ってしまった。ここ数年でも例の無いくらいナイスゲームだったんじゃないだろうか・・・?
大学ラグビーは帝京がスピード・パワーとも互角の東海に苦しみながらも土壇場でトライを上げ、なんと1点の僅差での優勝。
そして高校サッカーはゲームセットのホイッスルが鳴るまでどちらにどう転ぶか予想もつかないハラハラの展開の中、山梨学院が初出場・初優勝という快挙を成し遂げた。
ボクが注目したのがどちらの優勝チームも勝利監督、そしてキャプテンのインタビューで「いまの心境は?」という問いに対していずれも“感謝”という言葉を口にしていたこと。監督は選手に、選手は監督やコーチに、そしてどちらも『いままでお世話になった関係者の皆さんに・・・』という表現を忘れていたなかった。
この傾向はアマチュアスポーツだけでなくプロスポーツの選手なんかでも最近耳にすることが多くなったように思う。これってきっと(あくまでボクの推測だが)メンタルトレーニングや指導者の指導法の変化から来てるんじゃないかと思う。
そして後追いなのだが、報道によるとどちらの監督も試合前・試合中ともに、とにかく選手を如何にリラックスさせるかを常に考えていたんだと言っている。
就任14年目で念願の優勝を果たした帝京大学の岩出監督はロッカールームでも選手に笑顔を作らせたり、
試合中も常に笑顔で見守るようにかなりの努力をされたという。
ラグビーの試合ではゲーム直前のロッカーで闘志を掻き立てるために極限の興奮状態を作り上げ、グラウンドに出る直前に選手が涙ぐんで・・・、なんてシーンが以前良くあったのだが、今回の帝京にはそんな素振りはきっと無かったんだろう。
山梨学院のイレブンは決勝前日の練習でも、対戦相手を想定して戦術チェックを徹底した青森山田とは対照的に、選手に笑顔が絶えない楽しい雰囲気の中で軽く体を動かすのみで報道陣が訝しがったほどなんだそうだ。
山梨学院の横森監督という名将はその昔かなり厳しく“鬼監督”とか言われた方なんだそうだが、いまの選手たちに昔のスパルタ方式は通用せず、如何に選手に効率的なトレーニングをさせるかなどに苦心をされたようだ。
これって多分どんな世界でも一緒なんでしょうね。
ボク等サラリーマン世界でも我々が当時指導された手法をいまそのままなぞろうとしても無理で、若手とのコミュニケーションを円滑にし、彼らのメンタルを理解しつつ指導・マネジメントして行かないと実力を発揮してくれなくなって来ているように思う。
アマチュアスポーツの指導者の方々もかなり勉強されているんだろう、ご苦労様です。
ボクなんかも少しでもそんな領域に近づけるようにまだまだ切磋琢磨しなきゃいけないんでしょうね・・・!
とてもスリリングなゲームで楽しませてもらったうえに、そんなことまで教えられた週末のスポーツ観戦でした。